健康増進法、医薬品医療機器等法、景品表示法
こんにちは、上級食品表示診断士のmgoloです。
健康増進法、医薬品医療機器等法、景品表示法についての留意点と違反事例をまとめてみました。
食品表示に関する法律の中で、食品表示法は食品のみが義務表示の対象です。景品表示法はすべての産業が対象の任意表示です。この辺りが性質の異なる点だと感じています。それと、薬機法と健康増進法の禁止表示があります。
義務表示、禁止表示を守りながら、誤認を与えない表示とすることが難しく、このバランスをとることが重要となります。
1、健康増進法 誇大表示の禁止(第31条)抜粋
健康の保持増進の効果、その他内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
内閣府令で定める事項①含有する食品又は成分の量②特定の食品又は成分を含有する旨③熱量④身体を美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果
<健康増進法31条1項違反 トマト酢生活>
この商品は、特定保健用食品でした。しかし、特保で認可されていない「血圧低下作用」の表示を行ったことにより、健康増進法31条1項に違反とされています。
2、医薬品医療機器等法 承認前の医薬品等の広告の禁止(第68条について)
「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に該当しない成分本質が配合又は含有されている場合であっても、医薬品的な効果効能を標ぼうするものは、原則として医薬品としてみなす。
<薬機法68条違反事例>
例①便秘の解消:疾病の治療や予防が可能であることを示している。身体の構造・機能に影響があることを示している。
例②視ることを鍛える。臓を活発にし、目の疲労をいやす。:身体の構造・機能に影響があることを示している。
例③乳酸エキスは免疫を担う物質:栄養成分の体内での作用を示す表現。
例④免疫関連食品:医薬品的な効果効能を暗示
要するに、誤解を恐れずまとめると、薬機法は、栄養成分の身体における作用を表す表現、特定の身体への栄養補給、健康増進の誇大広告は不可とされています。そのため、単なる栄養補給、健康維持、健康維持に重要などは可とされています。
3、景品表示法
①優良誤認表示の禁止(第5条第1号)
誤解を恐れず一言でいえば、著しく優良であると示すものの表示を禁止しています。
②有利誤認表示の禁止(第5条第2号)
誤解を恐れず一言でいえば、著しく有利であると誤認をされる表示を禁止しています。
③商品の原産国に関する不当な表示(第5条第3号)
国内で生産された商品について、国内で生産されたことを消費者が判別することが困難であると認められる表示を禁止しています。①外国の国名、地名、国旗、紋章、その他これに類するものの表示②外国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示③文字による表示の全部又は主要部分が外国の文字で示された表示
<第5条第1号違反 特保に関する初の景表法違反>
当該商品は特保で、結構有名な特保に関する初の景表法違反でした。そして、初の許可取消事例でした。内容は、許可取得後に試験検査が行われておらず、関与成分の特定ができていなかった。これらより、特保の要件を満たしていないにも関わらず、満たしたものであるかのように示す表示を行っていたというものでした。
<第5条第1号違反 「添加物不使用」の表示>
当該ソーセージについて、保存料・着色料・添加物・化学調味料など不使用と表示されていました。実際には、当該商品に使用された羊腸は、化学合成添加物であるリン酸三ナトリウムで加工されたものでした。
また、現在では食品添加物協会より「添加物不使用」の表示は推奨できないとなっています。
<第5条第1号違反 原材料の大部分が国産であるかのような表示>
当該 ブレンド茶の包装に、「阿蘇の大地の恵み」と表示し、併せて原材料名の茶葉の名前を列挙し、風景イラスト表示を行っていた。実際には原材料の大部分が外国産であった。
これは、今後本格的に始まる原原表示にも影響する内容です。更に、このような表示をした場合、原材料第2位以下の原料原産地についても整合性が求められる事となると思われます。
なお、下記の画像添付では、第4条第1号違反とありますが、これは、改正景品表示法が平成28年4月に施行される前のためです。
義務表示、禁止表示を守りながら、誤認を与えない表示とすることが難しく、このバランスをとることが重要と考えています。