食品表示検定上級試験関連ブログ

食品表示制度が大きく変わって行く中で、食品表示検定上級試験が注目されています。この対策や食品表示基準について書いています。

ルネッサンス 再生への挑戦

 

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少し古い本になりますが、こちらも本質的な、そして極めて普遍的な内容が書かれていると思います。

5つの文化(ブラジル、レバノン、フランス、アメリカ、日本)を股にかけたカルロスゴーンのマネジメント手法、経営哲学、人間観を、これまで受け入れてきたやり方と信念に挑戦し、新世界へと乗り出していくルネッサンスになぞらえて語られています。ブラジルに生まれたゴーンさんの子供時代もつづられており、グローバルな人材が育つ環境にも触れることができ大変興味深い本でした。

1、ルネッサンス

 それは復興を意味する。彼らはこれまで受けいれてきたやり方と信念に挑戦した。古いドグマを捨て物事を批判的に分析する思考方法を身につけた。そして新世界への旅へと乗り出していった。

2、マネジメントスタイル

 ①問題を特定する ②優先順位を確立する ③双方向コミュニケーションの促進

できるだけ明確なガイドラインを示し、重要度に従ってやるべきことの優先順位を決めるようにする。これがフォローしやすく、一貫性があるとされる。

人材募集に例えるなら、①会社が直面する問題を分析的かつ明確に説明する能力のある人 ②問題解決にあたって部門間の横断的なアプローチが導入できる人 ③自分の下したけ決断には進んで責任を持つ人 ④長期的な目標を視野に入れつつ、短期的目標に照準を絞ることができる人 ⑤危機を脱した状況でも組織に緊張感を維持できる人 ⑥ユーモアのセンスがある人

3、ミシュラン時代のゴムの木のプランテーションで、ゴムの木の一生になぞらえ、プロセスに必要な段階をすべて踏むことの重要性の説明(高コスト体質、債務、開発、ブランド、マーケティング、流通網)

4、クロスファンクショナルチーム(CFT)

昔ながらのやり方や習慣を変えるには部門や職務の壁を越えて一堂に会する場が必要。これなしには、顧客を満足させる成果は生まれない。

そもそも顧客の要求はCFなものである。コスト、品質、納期にせよ、ひとつの部門でこたえられるものではない。

5、品質

品質を維持したいと思っているが、現在のスペックが過剰品質に陥っていないか見直さなければならない。様々な角度からみるCFTが必要。

6、国際競争を打ち勝つには

高品質の製品と信頼できるサービスが必要。

7、コスト削減

無理、挫折、この種の批判や反対意見は最初から折込済みでなければならない。

目的はコスト削減それ自体ではなく、競争力を養う事である。したがって、イノベーションのレベルは下げないように細心の注意を払う必要がある。そして、コスト削減計画を立てる。どのようにして削減するか(スペック変更、新たなスタンダード導入、ベンチマーク、三社会談、批判的な意見には根拠は?と尋ねる)。

8、ビジネスはビジネスの原則で

重複は避け、サプライヤーが効率的、効果的に行えることは自社ですべきではない。そして、サプライヤーに頼むときも、ただ安く、早くではなく、手順を確立したいから協力してほしいとすべきだ。

新商品開発できなかったことが、国内市場での低迷の一因。新商品開発が1年遅れれば、市場で膨大なリスクを背負うこととなる。

コアビジネスへの集中。ノンコアビジネスの売却。コアビジネスの明確化。

関連会社へのテコ入れ。

全員が同じフィールドを同じルールで走り始めるまでは改革を続けるという意思表示が必要。

9、成長

成長こそ、社員のモチベーションを高め進んで変化を求めさせる最も重要な要素である。

成長力を強化するには、新製品の開発が必要である。最高のパフォーマンスを約束するパワートレインの開発、競争力のあるサービスによる製品サポートに取り組まなければならない。

10、リスク

もちろんリスクは承知のうえだった。リスクはあったが、はるかに上回るチャンスがある。

11、収益をあげられる会社とそうでない会社

自分たちの取り巻く環境、現実から正しい結論を導き出すことができないでいる。一部の情報にとらわれ、不完全な全体像を描きだしていた。その原因は、取り巻く環境を客観的に評価できなかったことにある。収益をあげられる会社とそうでない会社があるのは、前者は経営手腕が優れているからである。

この問題は、経営陣が方向性を見失い、利益を上げるために、社員に動機づけることも軽視してきたことにある(顧客満足、CFT、長期的ビジョンの共有、教育体制がない)。

12、優先順位の混乱

13、単一文化の思考にとらわれない

14、決断

ビジネスの世界では感情にひきづられた決断をすべきでない。決断は、価値創造と優先順位の観点から行われるべきだ。最優先課題はコアビジネスの債権である。

15、ヘラジカ狩り

問題を隠しては、悲劇が繰り返される。問題は表に出して、議論し、解決策を議論しなければならない。

16、意思決定の場に参加する人々が顧客満足と収益性を忘れてはならないように促さなければならない。